紳士の迷走記

靴、時計、スーツ…欲望と徒然なるままに…

時計の選択 Part3

IWC マーク12とマーク15の時計探しが始まった。マーク12は価格が100万円近くまで高騰しており落胆したが、マーク15は50万円前後からあるようだ。調べてすぐに銀座R◯sinさんでマーク15の在庫を見つけた。革ベルトで付属品無しで53万円。OHも当月終えているし、文字盤やケースの状態も良さそう。買取の依頼をして、翌日店舗に持ち込む手筈となった。久しぶりにこの日の夜はよく眠れた。

翌日、意気揚々と支度をしているとお店からメールが届いた。

「ご検討されていたマーク15がネット注文により先程売り切れました。」

目の前が真っ白になったが、こういう事が起きるのが時計の世界だ。せっかく妻から外出の許可が出たというのに、残念。。。

本当に欲しい時計は現品を見ず在庫がある内に確保するのが正解だと痛感した。GOの売却はもう避けられないし、お店の査定額も納得はしないが了承したので暗い気持ちで銀座に向かった。人気のないモデルはどんなに良い時計でも安く買い叩かれる。それも実感させられた。高価な機械式腕時計は、投資目的でないにしても人気モデルを選択する方が賢い選択と思った。

生後1ヶ月半なので都心への外出は貴重だ。その貴重な時間を時計の売却に費やすのは切なかった。しかもほぼ買値の半値での買取。下手を打ったが過ぎ去るは及ばざるが如し。前を向くしかない。

少し早く着いたので新橋でたい焼きを食べて一呼吸置いてからお店に向かった。

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銀座R◯sinさんの対応はメールでのやり取りと同様にとても丁寧だった。「綺麗に使われてますね。精度も問題ないのでお伝えした上限額での買取になります。」

こうしてGOは旅立っていった。

GOは悪くない。全ては我慢出来なかった自分のせいだから。

その後もマーク15の人気は凄まじく、入荷されるとすぐ売り切れる毎日だった。一部のブレスモデルはマーク12よりも高い値段で取引されていた。無論、状態が良くない個体はいつまでも掲載されていた。私観だが、長く在庫されている個体は注意が必要と思う。不人気モデルか、或いは何か欠陥を抱えている場合が多いからだ。小生が購入したGOは半年以上在庫されており、棚卸回転率の高いお店で何故これほど長く売れ残っていたのかをまず考えるべきだった。でも、こういう失敗は次に繋げればいいのだ。

マーク15の人気の理由は実用性の高さ、シンプルで完成されたデザイン(マーク16以降はビックパイロットウォッチとのデザイン統合が見られ、より高級志向になった印象。)、ETAムーブが載っている安心感とメンテのしやすさが挙げられると思う。質実剛健という言葉がピッタリな個体で魅力的だ。ただ、あまりにも加熱した人気を見て天邪鬼な小生はマーク15に冷めてしまった。

そして日本だけでは無く世界に目を向けて時計を探そうと思った。ブティックや某並行店での苦い経験はむしろ日本に見切りをつける理由になった。

そしてついに出会った。ようやく暗闇のトンネルから抜け出した気持ちになった。

 

つづく